アリは天パだった。
それを鏡を見ながら、櫛で髪をとかしつける。髪が可哀想だと何度も言った。
アリは前髪が命だった。
私も、天パだった。
私自身は、その天パを必死にとかしつける事が無意味だと考えていたし、そこにそれだけの情熱を注げるアリに尊敬の念しか湧かなかった。
前髪がストレートでも、くるくるでも、
彼女は面白くて可愛いありんこという存在でしかなかった。
それなのに、アリは時々私の髪もとかしつけて、ピンで留めたりもした。
天パを伸ばす職人だと思っていた。
そして、その作業が女性がこの社会で女性として生きて行くために、いかに大切な事かという根底を教えてくれたのも彼女だと今は思う。綺麗なストレートヘアーは全女性の憧れだということも。
そして、彼女は的確に私への助言をしてくれる。忖度無しに。
なので、おそらく私の人生において私という人間がどういう人間か、1番鮮明に理解している可能性が高い人で、唯一の人かもしれない。
自分自身ですら、気付いていない自分自身の事を見透かされている気がする。
とりあえず、アリの言う事は聞いていた方が良い。
それが、今でも私のルール。
そんな、どちらかというと私の方が教えられる事が多いアリを、救ったというできごとを話そう。。
高校2年の頃だったと思う。
クラス替えがあって、アリのコミュニティは離れ離れになった。
私も、たまには一緒に群れたあのコミュニティが、アリにとって凄く遠くなった。
取り残された感がアリを包んだ。
そして、どういうわけかそれを酷く悩み落ち込んでいた。
今まであったものがいとも簡単に壊れる。
クラスが変わっただけで。
私は知っていた。
女子の、群れは流動的で簡単に散るし
再結成するし、意味の無いものだと。
なので、アリが喪失感みたいなものに打ちのめされている事が不思議だった。
私の心情だと、なんで落ち込むの?
あなたは、面白くて、可愛い、あなたはあなで、他の誰でもなく。唯一無二の、私の大切な友達。
その時に言った言葉が、彼女を強くしたと今だにアリは言う。
『あなたは、まごう事なきあなたで
他の誰でもない、唯一無二のアリサちゃんなんだから何かに左右される必要も、変わる必要もないんだよ』
今その状況になっても、そう言う。
だって、そうだから。
あなたはあなたらしく。
わたしは、わたしらしく。
あれから、30年たっても
救われたと言う、アリ。
そして、救われたアリはそこから覚醒したかのように、Go ing My wey.
強い女になった。
私たちの世代で言うところの
『野村サチヨ』みたいな女になった笑
これは、決してdisってはいない。
良い意味で、自分らしく生きる女になった。そして、私はそんなアリをさらにかっこよく思うのだ。
完全に、私とは対照的である。
そんなアリサちゃんが、私の親友なのです。
