創作④

◯◯の話・・・

それまで彼の携帯を見ようと思った事は無かった。

今までの人生での経験上、パートナーの携帯を見るのは自分で自分のクビを絞める行為であるとわかっていたから。

 携帯を見て、安心を得られる事なんて皆無なのだ。

それなのに、どこかで期待したのかもしれない。彼との6年間で、女の影を完全に怪しんだ事は無かったと信じたかった。自分のこの湧き上がる不安に決着をつけたかった。

それだけだった。

 ほんの出来心だった。

彼に限って、、、、。

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半年前に機種変更をした。

機械に疎い彼の携帯は、私がデータを移し替えた。

もちろん、その時は彼の携帯の中身になんて全く興味も無かったし、データを無難に移し替え

しただけだった。 ただ、たまたまその時に

彼の携帯のパスコードを知った。

彼だって、それを伝えた事すら忘れていたのかもしれない。

 それが、地獄への扉を開く1歩になるなんて

機種変更を済ませた、古い機種は

おもむろに、本棚に置かれていた。

もう、そこには誰も関心を示さない。

その空間は、機種変更をしたあと数日後には

時が止まってしまっていた。

そして、わたしはそれに手を伸ばしてしまった。

 充電が0%の表示。

緊張しながら充電器に挿す。

20%の充電ができたその携帯は、いとも簡単に扉を開いた。

配置されたアプリに、見た事のないアプリを見つけた。

 ロックがかけられる、アルバムのようだった。

わざわざ、ロックをかける必要があるアルバムなんて、、、

胸の奥がザワザワとした。

ロックは,簡単に解除できた。

携帯のパスコードと同じだったから。

 開いたアルバムには、生徒と思われる女の子の沢山のスタンプ加工をした写メが並んでいた。それは、全て同じ女の子だった。

わざわざロックをかける必要があるのか?と

並んだ写メを見ながら思った。

きっと、仲の良い生徒が彼に送ってきたのであろう加工写メアプリの写メ達を見ながらその時までまだ、疑いもしていなかった。

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