彼と付き合い始めた頃、当たり前に私がそばにいる予定を立てる人だったから
当たり前に、仕事の後は彼の家に帰るようになったし、当たり前に合鍵ももらった。
「鉄壁の守り」はそこになかったし。
むしろ、私達の関係は彼からの強引なアプローチが大きかった。
とてもスマートに、自然に、私は彼のペースに乗せられていたし、恐ろしいほどにそうなるように彼に操られていたと思う。
慣れている。
そんな風に感じることも、多々あった。
『鉄壁の守り』と『慣れている』のこの対局にある彼の2面性も私の中でひっかかっていた。
自分のテリトリーに入れる相手をとても見極めているようで、いとも簡単に相手を引き込む力も持っていた。
もっと疑うべきだったのかもしれない。
一緒にいる時間の中で、少しずつほころんだ彼の正体に。
誠実で真面目は彼自身が作り上げた、彼自身の仮面だった。
彼は、私に時間をかけて誠実で真面目を刷り込むのと同時に私が、彼に絶大なる信頼と尊敬をおいているということを彼自身も暗示にかかっていたのだろう。
私が彼の携帯を見るなんてこれっぽっちも思っていなかったはずだ。。。
